私の苦しみを誰も分かってくれない。
トラウマと依存症のつながりを知りたい。
トラウマや依存症からどのようにしたら抜け出せるの?

このような思いを持たれている方にご紹介する本はコチラ!

クラウディア・ブラック『あなたの苦しみを誰も知らない トラウマと依存症からのリカバリーガイド』金剛出版

前々から気になっていて、ようやく手に取って読んでみました。
先入観で自己啓発本のような印象を持っていましたが・・・バリバリの学術書でした。
しかも、とても興味深く、一気に引き込まれました。

前半はトラウマと依存症について丁寧に解説されています。
要所要所にクライエントのセリフや事例が載っているのでとてもイメージしやすく、分かりやすいです。

個人的には「依存症とトラウマと自己否定感(恥)は三つでひと組」(p.113)という部分が印象的でした。
自分の臨床経験から生まれたいくつかのモヤモヤが晴れて、それらがバッとつながった感じがしました。
特に複雑性トラウマを抱えた方々を支援する際には必須の知識になると思います。

後半はトラウマと依存症について、どのように向き合って回復していくのかについて書かれています。
序盤はグラウンディング(自分の気持ちを落ち着かせるスキル)やマインドフルネスが重要な要素になりそうです。

最後の第11章は「人生のストーリーを描きなおす」となっていて、
まさにそれができるようになったら、
リカバリーしたことになるのだろうなと、
自分が今まで担当させていただいたケースはどうだっただろうかと振り返ってしまいました。

本書は訳本ではありますが、そんなことは感じさせない読みやすさで、
トラウマ時代と言われている今に一読する価値ありです。