知能検査WAIS-Ⅳについて知りたい。
WAIS-Ⅳの実施方法や解釈のコツについて知りたい。
WAIS-Ⅳが臨床的にどのように活かされるのかを知りたい。

このような思いを持たれている方にご紹介する本はコチラ!

E.O.リヒテンバーガー、A.S.カウフマン『エッセンシャルズ WAIS-Ⅳによる心理アセスメント』日本文化科学社

仕事でWAIS-Ⅳを実施する方にとっては必読書かつ手元に常に置いておく本になると思いました。
実際、WAIS-Ⅳに付属しているマニュアルもかなり詳細に書かれておりますが、
本書があるとさらなるレベルアップにつながるのではないでしょうか。

600ページを超える大著ですが、
早見表などといった形で要所要所でまとめてくださっているので、
そこだけ読んでいっても勉強になります。

年齢が高齢になるにつれて、
言語理解指標(VCI)はあまり変化はありませんが、
知覚推理指標(PRI)、ワーキングメモリー指標(WMI)、処理速度指標(PSI)が下がっていくのは興味深かったです。

また、知的ギフテッド、大うつ病性障害、自閉性障害など、
臨床サンプルの指標得点と全検査IQ(FSIQ)の平均が書かれた早見表も興味深かったです。
知的ギフテッドはどの指標も高いですね。
さすがはギフテッドだと思いました。
指標間のディスクレパンシーが障害によって異なるところも勉強になりました。

最後の第10章にはケース・レポートの実例があり、
これまたとても役立つと思われます。
しかし、海外ならではなのかもしれません(私の勉強不足かもしれません)が、
検査バッテリーの数が非常に多い!
検査を受けるクライエントさんも大変ですけど、
検査するセラピストもこれは大変ですね。

これだけの大容量を上野一彦先生がお一人で訳されたことにビックリ!
さすがは上野先生でございます。
知能検査のこれからの発展も楽しみですね。