ゲーム症って何?
ゲームとの上手な関わり方を知りたい。
発達障害とゲームとの関係性を知りたい。

このような思いを持たれている方にご紹介する本はコチラ!

滝川一廣・杉山登志郎・田中康雄・村上伸治・土屋賢治(編)『そだちの科学 40号』日本評論社

今回のテーマは「発達障害とゲーム」です。
この雑誌は1年の間に、4月と10月の2回、発刊されます。

DSM-5では「インターネットゲーム障害」、
ICD-11では「ゲーム行動症」が追加されました。

これだけ聞くとゲームは悪しきものになりますが、
人間の支えになっていることも事実としてあると思います。

本誌はゲームのデメリットだけではなく、
メリットもしっかり挙げた上で、
ゲームとの関係性について多方面から論じられています。

マインクラフト、エーペックスレジェンズ、フォートナイト、
リーグ・オブ・レジェンド、ポケモンユナイトなど、
スクールカウンセラーをしていると児童生徒からよく聞くゲーム名が挙げられています。

自分も実際にやってみたことがありますが、おもしろいですよね。
本当によくできていると思います。

児童生徒がゲームを止められない気持ちもよく分かります。
だからこそ、ゲームとの関わり方を大人と一緒に考えることが重要だと思います。
加えて、課金制度は本当によく考える必要があると思います。

治徳大介先生がゲーム症患者とeスポーツを行うプロのeアスリートとの違いについて書かれていて、とても興味深いです。
eアスリートは運動量が多いそうです。
ゲームだけでなく、体も鍛えているんですね。
確かに長時間ゲームするためには、ある程度体力もないとやっていけないような気がしました。

このような知見が児童生徒とその保護者にしっかりと伝わることで、
児童生徒がゲームとどのように関わっていけば良いのか、
考えるきっかけになると思いました。

本誌には、テーマとは別に、
八木淳子先生の「逆境を生きる子どものこころを聴く」、
藤岡淳子先生の「子どもを性暴力の加害者にも被害者にもしないために」などとった連載もあります。

特に前者は新連載なのですが、
少年院にいるAくんの話は、とても考えさせられましたし、心が痛いです。
子どもの犯罪は、その子どもだけの問題ではないような気がします。
大人を含めた周りの影響力は非常に強いですよね。
今後の連載内容もとても気になりました。