愛着障害について知りたい。
愛着障害と発達障害の違いを知りたい。
愛着障害への支援方法を知りたい。

このような思いを持たれている方にご紹介する本はコチラ!

米澤好史『愛着障害は何歳からでも必ず修復できる』合同出版

なんと心強い題名でしょうか。
臨床経験を積んでいくと、
言い過ぎかもしれませんが、
結局は愛着の問題ではないか、
と思うことが多々あります。

愛着は「特定の人と結ぶ情緒的な(こころの)絆」と定義されます。
本書ではその愛着の絆を作るために、
安全基地、安心基地、探索基地が重要だと述べられています。
そして、愛着を修復していくコツは安心基地からつくることだそうです。

自分の愛着に対する考えを振り返るツールとして、
本書の親子関係ウソ・ホントクイズ(p.42)は役立つと思います。
また、愛着障害の特徴と先程の3つの基地機能との関係もしっかりまとめられています。

愛着障害と発達障害の見分け方については、
①多動の現れ方
②状況・対人場面による違い
③片付け・ルール遵守の問題
④不適切行動への対応の効果の違い
という4つのポイントから説明してくださっています。

愛着障害に「してはいけない対応」の1つに、
「受容、傾聴、向き合う対応」があり、
これには混乱を覚えました。

心理職を目指すために、
受容、傾聴を必死に学び、技術を身につけるわけですが、
それを否定されてしまうと、
何を信じていけばいいのかと不安な気持ちになる方もいるのではないでしょうか。

当然、なぜ「受容、傾聴、向き合う対応」がダメなのかの説明が丁寧にされていますので、
そこを読んで視野を広げることは重要だと思います。

個人的には「愛情の器」モデルはとても勉強になりました。
イメージできることはとても役立ちますよね。

本書は愛着障害に長年取り組まれてきたからこそ、
書くことができた内容だと思います。
愛着に関わる支援職の皆様にオススメの1冊です。