人の話を聞く技術を知りたい。
人に話を聞いてもらいたい。
東畑開人先生の著作を読みたい。

このような思いを持たれている方にご紹介する本はコチラ!

東畑開人『聞く技術 聞いてもらう技術』ちくま新書

東畑先生は本当に良い本を書いてくださいますね。
しかも、とてもとても読みやすい。
そして、新書だから値段も安い。

「「聞く」は声が耳に入ってくることで、「聴く」は声に耳を傾けること。」(p.7)
「「聞く」は語られていることを言葉通りに受け止めること、「聴く」は語られていることの裏にある気持ちに触れること。」(p.8)
「「聴く」よりも「聞く」のほうが難しい。」(p.9)

心理職は「聴く」訓練はするけれど、
果たしてそもそも「聞く」ことはできているのだろうか、
「聞く」ことができない人間に「聴く」ことはできるのだろうか、
そんなことを考えながら読みました。

「「聞く」は「聞いてもらう」に支えられています。」(p.20)
「聞いてもらう、からはじめよう。」(p.19)

誰かに話を聞いてもらった経験があるから、
誰かの話を聞くことができる。
確かに、納得です。

聞く技術の小手先編として、
12の技術が紹介されていますが、
小手先どころかかなり重要ではないかと思いました。
心理職を目指す学生さん、院生さんは必見です。

12番目の「また会おう」は個人的にとても実感しています。
「また会おう」に今までどれだけ助けられたことか。

孤立と孤独の話もとても興味深かったです。
「孤独には安心感が、孤立には不安感がある。」(p.88)
孤独と孤立は安心感-不安感のスペクトラムのような印象を受けました。

聞いてもらう技術の小手先編では、
それ分かる分かる、とつい頷きながら読んでしまいました。
単純作業しているとついつい色々と話してしまいますよね。

本書を読んで、
東畑先生は「令和の河合隼雄」だとますます思いました。
心理職を目指す学生さん、院生さんはぜひ読んでみてください。
自分が学んでいることの核心を分かりやすく知ることができると思います。