トラウマやPTSDに悩むクライエントさんを支援する方法を知りたい。
解離に悩むクライエントさんを支援する方法を知りたい。
トラウマ的愛着への治療アプローチを知りたい。

このような思いを持たれている方にご紹介する本はコチラ!

ジェニーナ・フィッシャー『トラウマによる解離からの回復』国書刊行会

本書では、トラウマ、解離、愛着、神経生物学などに基づく実用的なアプローチを統合した支援方法を紹介しています。
恥、自己嫌悪、罪悪感を思いやりへと変化させるモデルになります。
センサリーモーター心理療法、
内的家族システム療法、
マインドフルネスに基づく心理療法などの知識や技術が統合されています。

本書の鍵はパーツにあるという印象を受けました。
個人的にはパーツという表現に初めて触れたので、
深く理解できていないところもありますが、
パーツを自分の中にある役割別に分かれた小さな自分たちという風にとらえてみました。
パーツを理解し、パーツにどのように関わり、支援するのかが重要なところです。

パーツの現状や役割を理解するところから始まり、
パーツに働きかける方法(マインドフルネス)を知り、
パーツに働きかけ、
パーツに思いやりを向けることでパーツと仲良くなり、
そこから危機に瀕しているパーツに対する支援へと入り込んでいく、
というイメージでしょうか。

最終的にはクライエントが自分の中のパーツたちを信頼し、
パーツたちとの安定したアタッチメントを構築することが重要なようです。
個人的にはとても興味深い発想だと思いました。

「「記憶を処理する」ためには準備が必要です。感情的、身体的、そしてパーツたちの恐れを克服し、誘発要因への過敏さが緩和され、そして自動的に起こる「自滅的な物語」や自責の癖を自分で統制できることが必要です。安定化には自分のパーツに気づき、区別し、パーツたちへの感情的なつながりを作り、修復体験をするというステップを要します。」(p.253)

本書をじっくり読み込むのも良いと思いますが、
個人的には別の本で、
センサリーモーター心理療法や内的家族システム療法などを学んでから本書を読むと、
より深い理解につながると思いました。