複雑性トラウマを抱えた人の支援について知りたい。
愛着に問題を抱えた人の支援について知りたい。
解離の症状がある人の支援について知りたい。
このような思いを持たれている方にご紹介する本はコチラ!
アナベル・ゴンザレス『複雑性トラウマ・愛着・解離がわかる本』日本評論社
本書は数々の名著を世に送り出されている大河原美以先生が監訳されています。
2019年のEMDRヨーロッパ大会でアナベル先生にお会いし、
その帰りの飛行機の中で本書の翻訳を決意されたそうです。
本書は患者さんに語りかけるように書かれており、
専門用語を使用しないようにされているそうです。
個人的には心理療法を上手に実施していく上で必要な要素がたくさん詰まっていると感じました。
「新しい目で自分の中のそれぞれの”部分”を見つめ、理解し、いたわり、受け入れることができれば、たとえ「きわめて異質だ」と感じていたものでさえ、統合することが可能になり、進化することができます。」(p.109)
これは心的外傷後成長(PTG)に通じるものを感じました。
クライエントの方がこうなれるようにどのように支援するかが重要ですよね。
「豊かな自発性や創造性は、自主性と安全がともに尊重される安定した愛着の関係性の中でのみ育ちます。」(p.132)
当たり前のことなのかもしれませんが、
最近は豊かな自発性や創造性が減っているようにも感じています。
「「誰かの前で”弱さ”をみせて安心感を得る能力」は取り戻せると知ることが大事です。そのためには「傷を癒すことで自分を守れるようになる」と信じる必要があります。」(p.140)
傷を癒す=自分を守る、
という考え方にはハッとされられ、
その通りだと感じます。
最後に本書を読んでEMDRにかなり興味が湧いてきました。
EMDRについて書かれている大河原先生の著書も読んでみようかな。